☞ この記事は、空間を気品ある佇まいに~大阪唐木指物(1)の続きです。
置くだけで空間を上品な佇まいに変える、大阪唐木指物。大阪唐木指物は小物から大型の家具まで様々な製品が作られていますが、基本的な作り方は共通します。
唐木指物の製法・工法
この記事は、大阪唐木指物協同組合さま提供の記事に、加筆したものです。
【1】製材・乾燥
原木を適度の大きさに切断後、桟積み[※1]にして乾燥させます。
通常、5~6年の乾燥が必要です。
※1…木材の乾燥方法の一つ。木材と木材の間に角材を挟んで積み重ねる。
【2】木取り
各部署の所要寸法に小割りします。
機械に通して木材を均等な厚みにしたり、表面を滑らかにしたりする加工も行います。
【3】白書
加工の基準となる白書線を引きます。
【4】加工
枘(ホゾ)[※2]、留(とめ)[※3]、丸味[※4]、組手(くみて)作り[※5]、彫刻などの加工を行います。
※2「枘(ホゾ)」…木材と木材を接合するために付ける凹凸。凸型をホゾといい、凹型をホゾ穴という。
※3「留(とめ)」…木材の接合部に木口が見えないよう、斜めに切って組み合わせる方法。枠の角などに用いられる。
※4「丸味」…曲面加工。足や柱に丸みをつける。
※5「組手(くみて)作り」…木材の接合面に互いに組み合う歯状の凹凸をつけて接合する方法。
彫刻
【5】部分組立
各部品を膠で接着し、部分的な組立を行います。
【6】研磨
紙やすりや椋の葉、棕櫚(しゅろ)等で磨きます。
【7】漆入れ
染料、蘇芳、オハグロ等で着色し、天然精製生漆を均等にすりこみます。
【8】留合わせ
全ての接合部分を仮合わせして確認します。
【9】組立
組立、接着を行います。
【10】仕上げ
接合部分を研磨して滑らかにし、漆のすりこみ等により仕上げます。